カスタマージャーニーマップの作り方
カスタマージャーニーマップで顧客行動を理解!
初心者必見の作り方解説(無料テンプレート付き)
あなたの商品やサービスにおける、消費者はどういう意思決定をしているか説明できますか?
唐突に失礼しました。実際にサービスが良いのに売れない、知られていないなどの事象に陥っている場合は、この消費者の意識の変化を理解できていないケースが多いのです。昨今のマーケティングのトレンドのひとつに、「顧客理解」というものがあります。
その顧客を理解するためのツールとして効果的なのが、このカスタマージャーニーマップなのです。
カスタマージャーニーマップという言葉を初めて聞いた!という方も多いかもしれませんね。
マーケティングで必須のツールといって良い、カスタマージャーニーマップ。
本記事はこちらを初心者でもわかるよう、作れるように解説をしていきますので、少しでもお役に立てれば幸いです。
目次
カスタマージャーニーマップとは
カスタマージャーニーマップ
カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品やサービスを購入するプロセスを視覚化し、理解するためのツールです。
マーケティングを複数人で行うプロジェクトなどでは、チーム内での意思の相違が発生させないためにも必須といえるでしょう。
顧客が商品やサービスとの接点で経験する感情や行動を段階的に捉え、その過程でのニーズや課題を把握することができます。これにより、企業は顧客の視点から自社のサービスや商品を改善し、より満足度の高いエクスペリエンスを提供することが可能となります。
カスタマージャーニーマップの目的
カスタマージャーニーマップの主な目的は、顧客が自社の商品やサービスを購入・利用し、自社の熱心なロイヤル顧客となるプロセス全体を管理することです。
これは、顧客が最初に商品やサービスを認知し、購入・消費し、その後情報を共有する段階を含みます。
この目的を達成するためには、適切なタッチポイントで複数の部門やチームが連携し、戦略的な施策を実施する必要があります。
カスタマージャーニーを整理し、マップに示すことで、関連する部門担当者を集め、横断的なチームとして取り組むことが必要不可欠です。
これにより、顧客体験全体を最適化し、顧客がより良いエクスペリエンスを得ることが可能となります。
そして、カスタマージャーニーマップの作成には、顧客のニーズや期待を理解し、それに合った施策を展開するためのデータ分析が不可欠です。また、定期的な更新や改善を通じて、顧客の変化するニーズに柔軟に対応することが重要になります。
常にチェックし、最新の状態に保つもの大切になります。ナビに映る地図情報が複ければ効率的に目的にたどり着けないのと同じことですね。
カスタマージャーニーマップの雛形
カスタマージャーニーマップの作成手順は、項目に沿ってこのテンプレートに情報を入力していきます。
ポイントは、ペルソナごとにマップを作成するということ。
ペルソナを定義し、そのペルソナに合わせたマップを描きます。
横軸には購入や契約に至るまでの消費者の行動プロセスを配置し、各ステップごとにペルソナの行動や感情、タッチポイント、体験や施策などを設定します。
これにより、顧客の体験を全体的に把握し、改善点や施策の検討に役立ちます。
カスタマージャーニーマップの 雛形ダウンロード はこちら。
レイアウトについては、様々なカタチがありますが、私が実際に使ってみて、分かりやすく、見やすいものテンプレートをご紹介します。
テンプレートもお渡ししておりますので、画像の下のリンクからお受け取りください。
カスタマージャーニーマップの作り方
全体構成
カスタマージャーニーマップは、以下のステップで作成していきます。
- ペルソナの定義:
- ターゲット顧客層を特定し、代表的なペルソナを設定します。
- それぞれのペルソナには、年齢、性別、職業、趣味、関心事などの情報を含めます。
- マップの作成:
- ペルソナごとにマップを作成します。
- マップの横軸には、購入や契約に至るまでの消費者の行動プロセスを配置します。
- ステップの設定:
- 各ステップごとに、ペルソナが取る行動や感情を記述します。
- 例えば、認知段階では広告や口コミを通じて商品を知り、興味を持つことがあります。
- タッチポイントの追加:
- 各ステップで顧客が触れる可能性のあるタッチポイントを追加します。
- ウェブサイト、ソーシャルメディア、店舗訪問などが考えられます。
- 体験や施策の設定:
- 各タッチポイントでの顧客の体験や企業の施策を記述します。
- 顧客が商品やサービスについてどのような感情を抱くか、どのようなサポートや情報提供があるかを考慮します。
- マップの評価と改善:
- 定期的にマップを評価し、顧客のニーズや環境の変化に適応します。
- 改善点や新たな施策の提案を行い、マップを更新します。
以上の手順に従うことで、顧客の体験を包括的に理解し、顧客中心の戦略を立案するための基盤を築くことができます。
ペルソナの設定
ペルソナ設定は、ターゲット顧客層を具体的な人物像として定義するプロセスです。
年齢、性別、職業、趣味、ライフスタイルなどのデータを分析し、代表的な顧客像を描き出します。
これにより、顧客のニーズや行動パターンを理解し、マーケティングや製品開発に必須の考え方です。
ペルソナについて具体的に解説したものを添付しておりますので、詳しく確認されたい方はこちらも参考にしてみてください。
マップの作成
目的に合わせてカスタマージャーニーマップを作成していきます。
この商材はコレ!といった形はなく、チームで整合しながら枠組みを決めていきます。
シンプルなものから、非常に詳細な項目分けをしているケースまで、さまざまな形があります。
まずは、こちらの基本的なフレームをお使いください。
不要な部分は削除したり、足りなければ追加したりして大枠を作っていきます。
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ステップの作成
テンプレートを参考にしながら、マップの大枠を作っていきます。
この時のポイントは、行動の変化をどういった枠組みで捉えるか?ということになります。
AIDMAやAISAS、AISCEAS、SEAMSなど、様々な購買行動フレームワーク等を参考にしながらステップを構築していきます。
AIDMAやAISASについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
最新版インターネットで売上を上げる方法
もしこの時に、あまりイメージできないのであれば、実際にその商品をどうやって買うか?というのを実践してみると良いと思います。
例えば、ECサイトで商品を実際に買ってみていただくということです。その時に具体的にイメージできないのであれば、そこが改善点であるという分析にもつながります。
タッチポイントの追加
カスタマージャーニーマップにおけるタッチポイントの設定は、顧客が企業や商品・サービスと接する箇所や方法を特定し、顧客体験を詳細に把握する重要なプロセスです。
これらのタッチポイントは多岐にわたり、ウェブサイト、ソーシャルメディア、店舗、カスタマーサポートなど、顧客が企業との関わりを持つあらゆる場面を含みます。
タッチポイントの設定により、顧客が商品やサービスについてどのような情報や体験を得るかを明確に把握し、顧客のニーズや期待に応える施策を展開することが可能となります。
また、各タッチポイントでの顧客の感情や反応を把握することで、顧客が体験する経路や課題を特定し、改善点を見つけ出すことも重要です。
このようにして、タッチポイントを目的の商材に合わせて設定することで、具体的な打ち手が明確になってきます。
まずは、現時点の施策を入れ込んでみて、違和感が無いか確認していきましょう。
もしまだ施策を講じていない場合は、イメージを膨らませて記入していきましょう。
体験や施策の設定
カスタマージャーニーマップにおける体験や施策の設定は、顧客が各タッチポイントでどのような体験をするか、また企業がどのような施策を展開するかを具体的に定義するプロセスです。
顧客の感情や行動を考慮し、ウェブサイトや店舗、カスタマーサポートなどの体験を最適化するための施策を展開します。
例えば、ウェブサイトではナビゲーションの改善や視覚的なコンテンツの提供、店舗では店内のレイアウトや店員の接客などが重視されます。
また、カスタマーサポートやアフターサービスも顧客満足度を向上させるために重要です。
顧客のニーズやフィードバックを考慮し、顧客体験を改善する施策を積極的に展開することで、企業は顧客満足度を高め、競争力を強化することができます。
今回は、セミナーを事例として取り上げているため、「思考」「感情」とい項目にしていますが、旅行などを例えると、「理想の体験」「感動レベル」などを取り入れても良いかもしれませんね。
合わせて、行動の部分には、具体的な打ち手を入れてみましょう。
意識レベルと打ち手の親和性を確認しながら、全体構造を俯瞰していきます。
KPIの設定
KPIとは
KPI(Key Performance Indicators)は組織の健全性や成果を測るのに役立つ数値や指標です。
例えば、小売業における売上成績は重要なKPIの一つです。
月次の売上目標を設定し、達成度を毎月分析します。
具体的には、1月の売上が100万円で、目標が120万円だった場合、達成率は100万円 ÷ 120万円 × 100 = 83%となります。達成率が低い場合は、営業戦略の見直しや広告キャンペーンの強化などを検討します。
もう一つの例として、顧客満足度が挙げられます。
顧客満足度はアンケートやフィードバックを通じて測定され、具体的な問題点を把握し改善策を導入します。
例えば、顧客からの評価が低い商品があれば、品質向上や返品ポリシーの見直しを行います。
KPIがビジネスの健全性や成果を評価し、改善の方針を提示するためにとても役立つ指標のひとつです。
KPIの設定
カスタマージャーニーマップは、ペルソナごとの行動や感情を時間軸に沿って整理し、現在の顧客プロセスを示します。
しかし、顧客視点で理想的なジャーニーを考えることも重要です。
理想と現実の乖離はビジネスモデルの変革のヒントとなります。議論を通じて関係者が納得するマップを作成し、改善策やKPIを明確にすることが肝要です。
KPIをそれぞれの枠組みの中に設定することも必要です。
具体的数値を用いて管理することは、チームでの目標設定や管理にも効果的です。
ただし、注意点としては、カスタマージャーニーマップを書いたからと言って絶対にそうなるわけではありません。
これはマーケティングの鉄則です。
この全体像のどこに課題があり、どこを改善することが必要かなどを、チームでしっかりと全員が納得するまで作り込むことが大切になってきます。
カスタマージャーニーマップを作る際の注意点
カスタマージャーニーマップの作成には、いくつかの注意点があります。
実態との乖離
まず、ターゲットの設定が重要です。ペルソナを明確に定義し、それぞれの顧客像に基づいてマップを作成する必要があります。
ペルソナがぼやけていると、カスタマージャーニーマップが顧客の実際の行動や感情と乖離し、成果に結びつかないことがあります。
また、ペルソナを詳細に設定しすぎると、セグメントが細分化され過ぎてマーケティング施策の効果が期待できなくなる可能性があります。適切なペルソナ設定を行うことで、マーケティング施策の効果を最大化できます。
顧客行動の知見不足
顧客の行動や意識に関する知見が不足している場合も注意が必要です。
顧客のニーズや期待を正確に把握することができないと、効果的な施策を展開することが難しくなります。
また、カスタマージャーニーマップを作成する際には、適切なKPIを設定することも重要です。KPIを設定しないまま施策を展開すると、成果を正しく評価することができず、効果的な改善が行われない可能性があります。
全体のブラッシュアップ
最後に、カスタマージャーニーマップは常に見直しと更新が必要です。
外部環境の変化や顧客のニーズの変化に合わせてマップを修正し、最新の情報を反映させることが重要です。
これによって、常に顧客満足度を高める施策を展開することができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?カスタマージャーニーマップたった一枚制作することで、見えてくるものが多くあることにお気づきになったのではないでしょうか。
これはマーケティングを一人で行なっていようが、複数人で行なっていようが、制作することをおすすめします。
確かに面倒かもしれませんが、これを1枚つくることで、その後の改善速度が圧倒的に早くなります
EC系のビジネスでも、実店舗のビジネスでも、それこそ副業でも、このカスタマージャーニーマップを頭に入れてあるかどうがで成果を大きく変わってくることは間違いありません。
ぜひ、テンプレートを活用しご自身のマーケティングに役立てていただければ幸いです。
<この記事の筆者>
TAKAO MARKETING
安齊 孝彰 | Takaaki Anzai
【地域のコンサルタントによる / 地域の経営者のための / 伴走支援のカタチ】
ITで栃木を元気にするためのサービスを提供するために、「TAKAO MARKETING」を立ち上げる。
IT関係のコンサルティングから、経営に関するコンサルティング、Web制作やデザインなど、幅広く手掛けていることが強み。
地域密着型のコンサルティングを軸に、ITが苦手な経営者の良き相談相手になるためにサービスを提供している。